デザインのそれ。

グラフィックデザイナーの雑駁ブログ

「勝色」って中々知性的。VAIO記念モデルの発売で改めて思うブランディングのこと

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SONYから独立し「VAIO株式会社」設立3周年、VAIOブランド20周年を記念し、VAIOのコーポレートカラーである「勝色」を採用した特別仕様の2モデルが、数量限定で発売されます。

はじめて買ったパソコンがこのVAIOだっただけに、少し思い入れがあるので、Macユーザーになってからも遠目にその同行は気になってました。

PCスペックについてはよくわからないので、詳細を知りたい方はこちら(SONYストア)でオーダー購入できます。

 

勝色(かちいろ)とは

コーポレートカラーの勝色、日本に古来からある紺色の一種で普通の紺色よりも少し濃い紺色で、昔の武士や軍人はこの色を「勝ち」につながる縁起のよい色として好み、「勝色」として武具に多く用いたといいます。

 

 VAIOのオフィシャルサイトにはこう書かれています。

「理性の青」と「感性の紫」
VAIOのコーポレートカラーは、その両極の融合を表現しています。

古来の日本では、
この深く濃い藍色を「かちいろ」と呼びました。
藍を濃く染みこませるために
布をかつ搗(叩く)ことが由来とされています。
侍たちはこの色を「勝ち」につながる縁起色として好み、
「勝色」として武具に多く用いたといいます。

伝統色である「かちいろ」に決まった色の定義はありません。
「理性の青」と「感性の紫」の間にある色。
この色には、使う人の理性と感性の両方に訴えることを
こだわり続ける『VAIOのものづくり』の哲学と、
日本ブランドとしての誇り(勝ち)が表されています。

 

ブランドコンセプト

「理性の青」と「感性の紫」 の融合。中々の知性を感じますね。普段デザインの仕事をするなかで、デザインに対する理由付けって結構大変だったりします。企業のコーポレートロゴのデザインを作る場合、「なぜその形状なのか」「なぜその色を使うのか」などその理由が必要ですね。

クライアントの好みでこの色を使って欲しいと言われても、なぜその色なのか、その色が正しいのかを考え、間違っている場合は何が間違っているのかを説明し、違う提案をわかりやすく説明しなければなりません。「なんとなくその色が好きだから」は全く通用しません。

ブランドコンセプトがしっかりしている場合、VAIOのように「なぜその色なのか」をしっかり文章で説明できるので、納得感が得られますね。

強いブランドは、開発に対する思いやストーリーなどが明確で、それに共感する人たちに好まれ、そこから長い時間をかけて信頼感や安心感が生まれます。逆にそれらを裏切ってしまえば、信頼などは一瞬で消えていく怖さがあります。

経営とデザインの幸せな関係

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この1冊ですべてわかる ブランディングの基本

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立ち上がり当初の19億円の大幅な赤字から、2年目で黒字転換を果たした同社。海外勢に負けずに痺れるような製品を期待したいです。