デザインのそれ。

グラフィックデザイナーの雑駁ブログ

ウッディな質感と四角いフォルムがカッコいいTivoli Audio(チボリオーディオ)

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ウッディな質感と四角いフォルムがカッコいいTivoli Audio(チボリオーディオ)。写真の「Model One Radio」はBluetooth接続が可能な3インチのフルレンジスピーカーと、受信感度が良いラジオ(AM/FM)が、高品質なハンドメイドの木製キャビネットにすっきりとした収まった同社ロングセラーの製品です。

日本でもおしゃれ系の家電ショップや一部の家電量販店などで見かけることもあるこのオーディオは、コンパクトなボディながらもその辺のオーディオとは一線を画する高品質な音で、コアなファンに長く支持されています。

 

オーディオ業界の巨人ヘンリー・クロス

このスピーカーを作ったのは、アメリカ人のヘンリー・クロスという人。もうお亡くなりになってますが、20世紀のオーディオの世界を語る上で外すことのできない重要な人物です。それは、2000年にCEA(全米家電協会)が、「オーディオの殿堂=50人の功労者」の一人に選出したことでも証明されています。

1952年、マサチューセッツ工科大学在学中にAR(アコースティックリサーチ社)を設立し、「AR1」、「AR3a」、「AR-LST」といった人気モデルを矢継ぎ早に登場させ、その名を広く世界に知らしめます。当時は、まだ小型のスピーカーで低音を出すことが難しかったそうです。そんな時代にAR社のスピーカーは画期的なエアサスペンション方式を開発し、低音の歪みの改善とレスポンスを向上させることで、小さなブックシェルフサイズでも重低音の再現を可能にしたそうです。

20世紀最大の指揮者であるカラヤンや、あのジャズ界の帝王マイルス・デイビスも愛用していたというらしいので、その品質の良さが伺えるのではないでしょうか?

その後、KLH社、Kloss Video社、Cambridge SoundWorks社を経て2000年に設立したのがTivoli Audio社で、AR社から数えて生涯で5社の音響会社を立ち上げています。そしてその長い50年以上のキャリアを経て晩年に辿り着いた小型スピーカーの究極作品がTivoli Model Oneとなる。

 

Model Oneの原型となったモデルが、1965年にクロス氏自らがKLH社時代に開発した、高音質卓上ラジオのKLH Model 21。

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ヴィンテージなツマミや文字盤のフォント、ダークブラウンのキャビネットなどミッドセンチュリー感たっぷりの逸品ですね。

 

そして、その後Tivoli Audio社で作ったのがModel One。で、初期Model OneにBluetooth機能を搭載し、スピーカー使いができるように改良されたリニューアルモデルがModel One BTとなる。

 

こういう歴史と作り手の気合いというか熱量がこもった製品ってやっぱり魅力的ですね。同じものを買うなら断然そういうモノを買いたいと思います。

 

ヒーリングスピーカー PR-018【YU-ON】」
まるで音の空間に包まれるような感覚