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グラフィックデザイナーの雑駁ブログ

The Art Institute of Chicago(シカゴ美術館)が、ウェブサイトのリニューアルに伴って、所蔵する5万点以上の作品の高画質画像をクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC0ライセンス)のもと公開

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世界5大美術館のひとつに数えられるThe Art Institute of Chicago(シカゴ美術館)が、ウェブサイトのリニューアルに伴って、所蔵する5万点以上の作品の高画質画像をクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC0ライセンス)のもと公開しています。

 

現在ウェブサイト上で世界的に有名な歴史的絵画や参考資料などが閲覧でき、無料ダウンロードも可能となっています!

Discover Art & Artists | The Art Institute of Chicago

 

現在、世界的に有名な美術館などでは、積極的に作品画像をインターネット上で一般公開する取り組みが広まっているそうですね。知らなかった。。理由としては、有名な作品を見ることでアートに対しての関心が高まり、実物を見ようと美術館に足を運ぶ人が増えることにつながるかもしれない。とのこと。

なお、公開する作品画像は定期的に追加するとしています。

 

なるほど、確かにウェブ上で見ただけでは満足するどころか、実物を見たくなること間違いないですね。特に絵画は細かな質感など肉眼で見ないとわからないことが多いですからね。

 

画像は「コレクション」のページから閲覧でき、年代やジャンルなどで絞り込んだり、パブリックドメインの作品のみ表示させたりできます。有名なVincent van Gogh:Self-Portrait, 1887(フィンセント・ファン・ゴッホ:セルフポートレート)やGustave Caillebotte :Paris Street; Rainy Day(ギュスターヴ・カイユボット:パリの通り、雨)のほか、かの有名な葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」といった日本の浮世絵、古代エジプトの棺とミイラのような歴史的な遺物などさまざまな作品が公開されています。

「Shows Filters」でカテゴリーを表示させ、年代や作品の種類、地域や作風などでフィルタリングすることができます。 日本からの作品は現在10464点掲載されています。すごい数。。

JAPAN:Discover Art & Artists | The Art Institute of Chicago

また、それぞれの作品には、その作品が作られた年代や、説明分が掲載されているので、アート好きにはたまらない内容ですね。

 

 

Paris Street; Rainy Day(ギュスターヴ・カイユボット:パリの通り、雨)

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ちなみに、このパリの通り、雨の絵は絵画史の中でも重要な作品なのをご存知でしょうか?この絵は、1877年にフランス人のギュスターヴ・カイユボットという人の作品ですが、絵をよく見ると「雨」が描かれていないですね。

傘を指している人と道路が濡れているということでこの絵が「雨の日」ということがわかるのですが、肝心の雨が描けていませんね。

 

それはなぜかというと、この当時はまだ“雨を描く”方法がわからなかったんだそうです。雨を描く方法がわからないとはどういうこと??と思いますよね?

 

それは、今は雨の絵をかけと言われると、縦の棒線を上からしたに描いたりするのが一般的ですが、本来、人間の目には雨を縦棒と捉えれいません。いわば妄想というか思い込みに近いです。

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そして、雨をはじめて絵に描いた人物が「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」を描いた歌川広重だったんです。説明がへたですみません。要するに、歌川広重が「雨ってこうゆう縦棒で表すとわかりやすいよね」ってことに気づいたってことです。しかもヨーロッパよりもかなり前にです。

 

そして、日本の浮世絵を目にしたヨーロッパの画家たちはこの表現の豊かさに度肝を抜かれたそうです。北斎の神奈川沖浪裏も波の描き方に革命を起こしています。日本の浮世絵師恐るべしです。

 

Discover Art & Artists | The Art Institute of Chicago

https://www.artic.edu/