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Dieter Rams(ディーター・ラムス)氏が半世紀前(56年前)にデザインしたバッグが現代に復活

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画像:tsatsas

ドイツを代表するインダストリアル・デザイナーであるDieter Rams(ディーター・ラムス)氏が半世紀前(56年前)にデザインしたと言われるバッグが、同じくドイツを拠点とするアクセサリーブランドTSATSASとの共同開発によって現代に蘇っています。

TSATSAS — 931 DESIGN DIETER RAMS

 

ラムス氏といえば、あのApple社の最高デザイン責任者であるジョナサン・アイブが強く影響を受けた人物の一人として有名で、ご存知の方も多のではないでしょうか。

ラムス氏は、1950年代からドイツの電化製品メーカー、ブラウンのインダストリアル・デザイナーとしてレコードプレイヤーやラジオ、スピーカーなど音響機器や、テレビやカメラ、プロジェクターなどなど1995年にその仕事から引退するまで数多くの名作を世に送り出しています。

ディーター・ラムス氏について詳しく知りたい方は以下の洋書「Dieter Rams: Ten Principles for Good Design」が写真もきれいで見やすいのでおすすめです。

 

931 DESIGN DIETER RAMS

工業製品のデザインが主でしたが、1963年ごろ、妻インゲヴォルグ氏のために過去に1度だけバッグのデザインをしていたそうで、その当時のデザインをもとにハンドメイドレザーバッグで定評のあるTSATSASが復刻させたという。

バッグは上質なカーフスキンを使い、伝統的な製法にこだわったTSATSASが丁寧に1つづつハンドメイドで製作されています。ブラックとグレーの2色展開で1つ1つにシリアルナンバーが添えられています。

 

ラムス氏も製品の発売に際してNew York Timesに以下のようなコメントを添えています。このデザインは非常に個人的なものであり、一般利用を意図したものではないと述べつつ、Tsatsasの二人に出会い、彼らのデザインに対する熱い想いを受けプライベートなデザインだったバッグの復刻に同意したという。Tsatsasという若く真面目にデザインと向き合っている二人だったからこそ実現できたのではないでしょうか。

 

また、製品の発表に合わせてドキュメンタリー映画Rams」も公開も合わせて行われています。この映画はアメリカのドキュメンタリー映画監督であるゲイリー・ハストウィット監督によって製作されたもので、2016年夏頃クラウドファンディングKickStarter(キックスタータ)」資金調達を成功させ完成させたもの。

ちなみにゲイリー・ハストウィット監督は2007年に大成功したインディーズ映画「ヘルベチカ~世界を魅了する書体~」を撮った監督で、主にデザインと人間を取り巻く物語を描くドキュメンタリー映画を製作している監督です。

映画「Rams」はゲイリー・ハストウィット監督のWEBサイトやVimeoオンデマンドにて視聴することができます。

hustwit.vhx.tv

バッグの価格は税込900ユーロ(約11万5000円)で、TsatsasのWebサイトとドイツ・フランクフルトにある店舗で購入可能です。サクッと買える金額ではありませんが、モノの良さや希少性を考えると、安い買い物になるかもしれません。

他の写真はTSATSASのサイトに掲載されていますので、ご興味ある方はこちらからどうぞ。

Source: TSATSAS