イタリア、セリエAの名門ユベントスがクラブのオフィシャルロゴを刷新します。
2004年の変更以来13年ぶりにリニューアルされるロゴは、これまでの伝統的なエンブレムのスタイルを一新し、斬新なロゴとして生まれ変わります。
ユベントスは、1897年にクラブを創設し1905年以来ずっと縦長の楕円形と白黒のストライプをあしらったエンブレムを使ってきました。一時期1979年〜1990年の間はフェラーリの跳ね馬に似たロゴの時期がありましたが、基本は盾モチーフのエンブレムを使ってきました。
ユベントスの過去全エンブレム(画像出典:Juventus Logo, Juventus Symbol Meaning, History and Evolution)
それが今シーズン限りで廃止となり、2017-18シーズンから新しいロゴが採用されることになりました。
発表時に上映されたプロモーションビデオ
「Black and White and More: Buffon and Nedved」全体的にモノトーンで超かっこいいので、見てみる価値ありです。ユベントス時代のジダンのターンとか出てきます。
この新しいユベントスのロゴは、ユベントスのイニシャルである「J」の文字と、セリエA優勝を意味するスクデッド(イタリア語で小さな盾の意味)をモチーフとしたシンボルに、ユベントスの象徴である白黒のストライプをあしらったデザインとなっています。従来と比べるとかなりシンプルで結構インパクトがあって、ロゴとしての存在感は感じられますね。
イニシャルの「J」という文字は、実はイタリア語のアルファベットには使われないそうです。それがなぜユベントスに使われているのかというと、JUVENTUSという言葉は「若者たち」「若さ」を意味するラテン語で、それをそのまま使っているという理由です。
下の動画はチーム創設時から歴代のロゴが次々と現れ最後に今回のロゴが登場します。
グッズ展開など
画像:Interbrand
デザインの発表会はミラノでした。どうして敵地ミラノでと少し驚きました。その革新性をライバルのミランに見せつけたかったのか!?と思ったら単純に今回のブランディングを担った世界的ブランディングファーム「インターブランド」のオフィスがあるのがミラノだったからでした。
インターブランドは文房具のモレスキンやアシックスといった企業のブランディングなどが有名です。同社はブランドを一つの企業資産と捉えた上でマーケットの中に再定義し、デザインとコミュニケーションを通して新たな市場を創出してきた実績があります。
今回のユベントスのブランディングにおいても、ロゴだけじゃなくユベントスファンという専用のフォントも用意していることがわかります。ロゴを起点にクラブで使う書類からWEBサイト、ユニフォームや各種プロダクト、グッズ、さらにはスタジアムやショップの内装に至るまで、ユベントスのあらゆるプロダクトに展開する仕組みが用意されています。徹底的なアイデンティティを共有することで、新しい時代のブランディングを構築していくのが狙いです。
セリエA 全チーム ロゴ一覧
改めてセリエA 16−17シーズンの全チームロゴを見比べてみても革新的だとうことがわかります。こうして並べてみて新しいユベントスのロゴが入るだけで他のチームのロゴが古臭く感じてしまうのは、デザインの凄さというか不思議なところだと感じます。他のチームもユベントスに影響されてリニューアルするところが出てくるかもしれませんね。
画像:セリエA公式ホームページより
他のロゴと見比べても異彩を放つ革新性は明らかですね。今後WEBサイトや上記に書いた様々なブランド展開がどうなっていくのか楽しみです。