
動画制作において「音声」は、視覚と同じくらい大切な要素です。
特に音声録音に特化したレコーダーを使用することで、動画の音質を高め、視聴者の好感度を向上させることができます。
しかし、初めて音声レコーダーを選ぶ際には、種類や機能が多く、何を基準に選べば良いか迷いますね。
本記事では、初心者が知っておくべき
の選び方やポイント、おすすめモデルを紹介します。
良ければ参考にしてみてください。
音声レコーダー選びの基本ポイント
まず初めに、動画制作において音声レコーダーを選ぶ際の重要なポイントを確認していきましょう。
1 録音の「音質」
音質は動画の印象を左右する重要な要素です。
高音質なレコーダーは視聴者にクリアで自然な音を届けることができます。
逆に音声が悪いと不快に感じられてしまい、動画の視聴維持率を低下させる原因となることもあります。
PCM録音(プロの音楽制作や映画、映像分野のスタンダードな形式)に対応している機種は、特に高音質で収録できるため、音質を上げるには必須の要素といえます。
2 ビット数とサンプルレート
ビット数とサンプルレートは音質に大きな影響を与えます。
ビット数は音の細かさを表し、特に32bitフロートでは広いダイナミックレンジで小さな音から大きな音までクリアに録音可能です。
サンプルレートは音をデジタル化する頻度を指し、192kHzだと非常に高精細な音質が得られ、細かいニュアンスも再現できます。
特にプロの音声編集や高品質な音を求める場合、32bitフロート(最低でも24bit)とサンプルレート48kHz、できれば192kHz対応のレコーダーがおすすめです。
3 使用シーンに合わせた「マイクの種類」
レコーダーには、マイク内蔵型と外部マイクを接続できるタイプがあります。
簡単なインタビューなど手軽に録音する場合は「マイク内蔵型」、映画や本格的な撮影には「外部マイク接続」可能なタイプが使われます。
これから、録ろうとしている音声が、どんな用途なのかによって最適なレコーダーを選びましょう。
-
マイク内蔵型か
- 外部マイク接続型か
4 バッテリー持ちと電源オプション
長時間の撮影ではバッテリーが切れてしまうと困るため、充電式や交換可能なバッテリータイプを確認しましょう。
さらに、USB給電対応であれば、外部バッテリーを使って長時間稼働させることができます。
- 電池式
- バッテリー式(USB給電が可能かどうか)
5「サイズと携帯性」
音声レコーダーはコンパクトで軽量なものが多く、持ち運びやすさも重要です。特に外での撮影が多い場合には、持ち運びに便利なサイズ感をチェックしましょう。
- 持ち運びやすいかどうか
価格帯別おすすめ音声レコーダー
次に、初心者におすすめの音声レコーダーを、予算別にご紹介します。
低価格帯:~20,000円台
ZOOM H1essential
ZOOM H1essentialは、手軽に高音質な録音ができる初心者向けレコーダーです。
とにかくコンパクトで、ポケットにも収まるサイズ感がながら、高品質な内蔵マイクと高い録音スペックを搭載しています。
シンプルな操作設定で、電源を入れてすぐに録音を開始することができます。
単三電池1本で約10時間の連続録音が可能で、microSDカードに直接録音できるため、パソコンへのデータ転送も簡単です。価格も1万円台と手頃で、音質と使いやすさを両立した入門機として最適なレコーダーです。
よく使われるシーン
- 講義やセミナーの録音
- 音声インタビュー
- 楽器の練習や録音
- 動画制作の音声収録(カメラの上に載せることも可能なサイズ)
ビット数とサンプルレート
- 最高96kHzサンプルレート
- 32bitフロート
TASCAM DR-10L Pro
DR-10L Proは、ピンマイク付きポータブルオーディオレコーダーです。
超コンパクトで軽量な本体ながら、32ビットフロート録音対応により、音量調整不要でささやきから叫び声まで高精度で超低ノイズの録音が可能です。
電池駆動で長時間使用でき、スタンドアローンのバックアップとしても優秀です。
さらに、スマートフォンでのリモート操作や、Atomos製品を介したカメラとのタイムコード同期にも対応しており、プロ仕様の機能が充実しています。
よく使われるシーン
ビット数とサンプルレート
- 最高48kHzサンプルレート
- 32bitフロート
中価格帯:20,000円〜40,000円台
TASCAM Portacapture X6
TASCAM Portacapture X6は、直感的な操作ができる4.3インチタッチスクリーンを搭載した高性能レコーダーです。32-bit Float録音に対応し、音割れの心配がなく、プロ品質の録音が可能です。
内蔵マイクは、内側と外側の角度を変更することができ、録音する範囲を狭くしたり広くしたりその場の状況によって使い分けることもできまs。
内蔵マイクと、外部マイクを接続することができ、自由度の高い運用が可能です。
よく使われるシーン
- プロモーション映像のインタビュー
- 音楽バンドの録音(6ch同時録音可能)
- ASMR
ビット数とサンプルレート
- 最高96kHzサンプルレート
- 32bitフロート
ZOOM H4essential
2024年に発売された、XYステレオマイク搭載、4トラック仕様の32bitフロートの音声レコーダーです。
搭載された内蔵マイクに加え、プラス2chの外部マイクを接続することができます。
また、本体にはリアルタイムに音声波形を表示するカラー液晶ディスプレイが搭載されています。
よく使われるシーン
- プロモーション映像のインタビュー
- 音楽バンドの録音(4ch同時録音可能)
- ASMR
- フィールドレコーディング
ビット数とサンプルレート
- 最高96kHzサンプルレート
- 32bitフロート
ZOOM F3
こちらもTASCAM Portacapture X6同様、32bitフロート録音に対応した2ch入力のフィールドレコーダーです。
内蔵マイクは搭載されていませんが、その分TASCAM Portacapture X6よりも小さく、手のひらに収まるコンパクトなボディながら、ハイレベルな録音が可能です。
目的にあった外部のマイクを接続し音声を録音することが可能です。
よく使われるシーン
- プロモーション映像のインタビュー
- 動画における環境音
- フィールドレコーディング
- ASMR
ビット数とサンプルレート
- 最高192kHzサンプルレート
- 32bitフロート
高価格帯:40,000円以上
プロの映像制作の現場でよく使われるZOOM F6
ZOOM F6はプロ仕様の録音ができる高性能レコーダーで、32bitフロート録音と192kHz対応が特徴です。
6つの入力があり、複数のマイクを使った録音にも最適です。
高価格帯ですが、さまざまな場面で高音質を求める方には非常におすすめです。初心者でも取り扱いやすく、長く使える1台です。
よく使われるシーン
- プロの映像制作での音声レコーディング
- 音楽バンド録音
- フィールドレコーディング
- ASMR
ビット数とサンプルレート
- 最高192kHzサンプルレート
- 32bitフロート
初心者向け音声レコーダーの使い方とコツ
1. 録音環境の設定
音質に影響する周辺のノイズを極力減らしましょう。風切り音を防ぐためにウィンドスクリーンを使用するのも効果的です。
ウインドウスクリーンは、Rycoteというメーカーが防風に優れた製品をたくさん販売しています。まずは、使いたいレコーダーやマイク専用に設計されたRycote製品を探すことをお勧めします。
2. 適切な録音モードの設定
レコーダーによっては、低音域を強調するモードやノイズカット機能などが搭載されています。撮影環境に応じて、最適なモードに設定しましょう。
3. 距離と音量の調整
音声をクリアに録音するには、マイクと音源の距離に注意が必要です。インタビューであれば、話者から約30cm離れた位置がベストです。
また、32bitフロート以外のレコーダーでは、急な大声が入力されても音割れしないように、適切なゲイン(レコーダーに入力される音量)調整を心がけましょう。
目安は一番大きな音がレコーダーのメーターの「-6dB」前後となるようにマイクを設置して、最悪の場合でも-3dBを超えないようにしておくと良いです。
まとめ
音声レコーダーは、動画制作において視覚と同じくらい大切な役割を担います。初心者の方には、シンプルで使いやすいモデルから始め、徐々にステップアップするのがおすすめです。今回紹介した製品はどれもコストパフォーマンスが高く、品質に定評があるものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
紹介した音声レコーダー
ぜひ、目的に合った音声レコーダーを見つけて、質の高い動画制作に役立ててください。





