デザインのそれ。

グラフィックデザイナーの雑駁ブログ

ひと味違う動画制作に!SANDMARCからiPhoneで使えるアナモルフィックレンズが登場

映画撮影用に使われるアナモルフィックレンズをiPhoneでも使えるようにしたレンズセットが登場しました。

 

映像撮影でよく使われるアナモルフィックレンズ。簡単に言えばワイドスクリーンの撮影・再生するためのレンズで、画面の横方向を1/2に圧縮して結像し、ポスプロ時や映写時にこれを2倍に戻すことで横長(2.39:1)のシネマスコープ映像を得るための特殊なレンズのこと。

 

これにより映画でよく見る横に長く伸びるフレアや、シネマティックな雰囲気の映像撮影が可能になります。

YouTube動画の撮影などで、もう少しシネマティックな雰囲気を手軽に撮りたいという場合にいいですね。

 

このレンズはiPhone7以上の機種に対応し、ケースもマウントクリップもセットに入ってくる。価格は159.99ドル(約1万7000円)。安いですね〜

 

iPhone Anamorphic Lens - SANDMARC

ヤン・チヒョルト「アシンメトリクス・タイポグラフィ」

ドイツ出身のタイポグラファー、デザイナーであるヤン・チヒョルトが著した「アシンメトリクス・タイポグラフィ」は、ブックデザインの古典として、いまでもタイポグラフィの原理原則を解説した本として読み継がれています。

 

内容はデザインにおける書体の選択から組版の理論的解説、色、紙の効果的な使用方法などなど、タイポグラフィへの深い造詣から示される鋭く解説されています。

本の表紙から、中身に至るまで、内容を体現するようにこだわり抜かれていることがわかります。

エル・リシツキーやマレーヴィチのロシア構成主義抽象絵画に影響を受けたチヒョルトならではの抽象絵画タイポグラフィの関係など読み応えがあります。

 

アシンメトリック・タイポグラフィ

アシンメトリック・タイポグラフィ

 

 

動画で学ぶタイポグラフィの歴史「the history of typography 」

 

タイポグラフィの歴史を端的にまとめたわかりやすい動画「the history of typography 」。コミカルなタッチのアニメーションでタイポグラフィの歴史がまとめられており、これからタイポグラフィを学びたい方には参考になるのではないでしょうか。

 

タイポグラフィとは

タイポグラフィとは、文字を見やすく読みやすくすると同時に、美しく魅力的に見せるための技術・芸術のことです。

 

タイポグラフィの歴史は、14世紀ヨハネス・グーデンベルグによる活版印刷の発明を機に大きく動き出します。

活版印刷はそれまで使われていたブラックレター体で始まります。ブラックレター体は太い直線と細いカーブを主体とし文字間をぎゅっと狭めて組むのが特徴で、文字間が狭く太いラインが多いため紙が黒く見えることからブラックレターと呼ばれています。

 

しかし、印刷した場合、文字間の狭く見づらかったことと、ルネサンス期のヒューマニスト運動もあってローマン体が生まれます。

ローマン体は古代ローマの建築デザインをもとされ、1490年にフランスでGaramond(ガラモン・ギャラマン)が登場する。

まっすぐな直線とバランスのとれたカーブを基本とし、これによって印刷時の可読性が飛躍的に良くなります。

その後1734年ごろイギリスでウイリアム・キャスロンによってデザインされたCaslon(キャスロン・カスロン)が登場し、続く1757年に同じくイギリスでBaskerville(バスカービル) 、1780年にフランスではDidot(ディド)、イタリアでbodoni(ボドニ)が生まれます。ローマン体黄金時代です。

 

サンセリフ

その後、1927年にドイツにてポール・レナーがデザインしたfutura(フーツラ)が登場します。これがジオメトリック・サンズです。

そして1928年イギリスで登場したGil sans(ギル・サンズ)、1957年にスイスにてMax Miedinger(マックス・ミーディンガー)のHelvetia(ヘルベチカ)が生まれます。

その後コンピュータの登場によって何千もの書体がデザインされることとなります。

 

印刷技術やテクノロジーとともに発展していったタイポグラフィーの歴史は、そのフォントの使い所や見せ方を決める指標となります。例えば、オーソドックスやフレンチの雰囲気を出したい場合に、イギリスで生まれたCaslonやGil sansを使うと、どこか違和感が出てしまいます。絶対に使ってはいけないことはないですが、やはりフランス生まれのDidotの方が雰囲気は作りやすいといった具合です。

 

書籍でもタイポグラフィーの歴史を紹介する本は多くあります。こちらタイポグラフィの基礎は、グーデンベルグ活版印刷の発明や金属活字からモダン・タイポグラフィの理念と発展、スイス・タイポグラフィの確立とそれが及ぼした影響など詳しい解説がなされているので、おすすめです。

タイポグラフィの基礎―知っておきたい文字とデザインの新教養

タイポグラフィの基礎―知っておきたい文字とデザインの新教養

 

 

スイスのタイポグラファー・デザイナー、アドリアン・フルティガー著「Signs and Symbols(サインとシンボル)」

アドリアン・フルティガーといえば、自身の名前を冠した書体Frutiger(フルティガー)や、Avenir(アベニール)、Egyptienne(エジプシャン)、Univers(ユニバース)など生涯に50以上の書体デザインを手掛けた20世紀を代表するタイポグラファー・デザイナーですね。

 

スイスの道路標識やシャルルドゴール空港などのサインにフルティガーがデザインした書体が使われ、その機能性やデザイン性、バランスなどタイポグラフィー、いまなおデザイン界に多大な影響を及ぼしています。

 

活字設計からサインシステムなど活字の造形を紹介した「活字の宇宙」は今では手に入りにくいプレミアがついている本や、視覚的表現としてのサインとシンボルが、ヒトの思考の記録や伝達にとってどのように作用するかを分析・検証してきたことが1冊に凝縮されている「図説 サインとシンボル」など書籍も多数出版しています。

 

図説サインとシンボルは、当たり前に認識しているものを角度をかえ、違った見方をすれば、それがどう思考回路に影響をあたえるか?最近ではアプリやウェブサイトにつかうアイコンなどミニマムな表現において、サインやシンボルをデザインする機会も多くあるので、デザイナーならフルティガー本は一度は読んでおきたい1冊ではないでしょうか。

 

図説 サインとシンボル

図説 サインとシンボル

 

 

 

ハイキングシューズAdidas Terrex Free Hiker Parley(テレックス・フリーハイカー)

アディダスから長距離ハイキングをサポートするシューズ「Adidas Terrex Free Hiker Parley(テレックス・フリーハイカー)」

靴下のように足にフィットするニットアッパーと、グリップ力を発揮するContinental™ラバーアウトソールが疲れにくく快適なハイキングをサポートするという。見た目のデザインもシンプルで良いですね

 

アウトドアではギアのクオリティは重要ですよね。良いギアとそうでないギアとでは、パフォーマンスに違いが出ますし、後の疲れが明らかに変わりますね。

 

 

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デザイン書体、furura:the typeface

ドイツ人の書体デザイナー、パウル・レナーによってデザインされた書体「Furura (フーツラ)」は、現在では誕生から90年が経っていますが、今なお多くの広告や本、ポスターなどでよく使われている人気書体です。

 

真円に近い円形と三角形、四角形をベースにデザインされた書体は、未来的で普遍的なバランス性を持っています。

 

アーツアンドクラフツに始まった芸術運動からバウハウスへ至り、そこで生み出されたfuturaは、まさに無駄な装飾や雑さを排除し、自然の美しさや洗練さを極めた理想の書体として世界中のデザイナーに愛されています。

 

Futura: The Typeface

Futura: The Typeface

  • 作者: Petra Eisele,Annette Ludwig,Isabel Naegele
  • 出版社/メーカー: Laurence King Publishing
  • 発売日: 2017/10/31
  • メディア: ハードカバー
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アドビのデザインコンテストであるバウハウスポスターシリーズの作品

昨年アドビシステムズが開催したAdobe Hidden Treasuresコンテストの応募作品としてイギリスのデザイナーW. Flemming氏が作成したBauhausポスターシリーズが海外サイトWE AND THE COLOR にて公開されています。

どれもさすがと思えるクオリティの高いデザインで、ため息が出ます。レベル高いです。

 

作品は昨年アドビ社がバウハウス当時の未完成な形で残されたスケッチや文字の断片などから再現した復刻フォントが使用されており、コンテストはそれらの復刻フォントを使用したデザインが条件ともなっています。

コンテストは終了していますが、復刻フォントはアドビフォントにて入手可能です。

 

1919年にドイツ中部の街”ワイマール”に設立された造形大学Bauhaus(バウハウス)は、美術、デザイン、工芸、建築といった、造形に関するさまざまな教育が行われていました。ドイツ国内のみならず、国外からも様々な教員を迎え一流の教育がなされていました。

創設者はモダニズムを代表するドイツの建築家ヴァルター・グロピウス。教員にはスイスの芸術家ヨハネス・イッテンや画家ライオネル・ファイニンガー、ゲオルク・ムッヘ、ヴァシリー・カンディンスキー、彫刻家のゲルハルト・マルクスなどなど。

1933年に政治的な理由によって閉校されるまで、わずか14年という短い歴史でしたが、現在も世界のデザイン・建築界に影響を与えています。

 

 

 

 

デザインで恥をかかないための欧文書体のルールとマナーを!欧文書体―その背景と使い方

日本人である私たちが、海外の欧文文字を扱う時に、押さえておきたい基礎的な知識を学べる本「欧文書体―その背景と使い方」

 

1冊目の欧文書体―その背景と使い方は、代表的な欧文書体30書体を中心にその書体がどのようにできたか、またその成り立ちを歴史的な背景から紹介しています。

著者である小林氏は欧文書体で120年の歴史を持つライノタイプ社のタイプディレクターとして活躍された方で、日本人でありながら、欧文書体の深いところ熟知されている凄い方。

 

例えば、格式が高く伝統的な印象「TRAJAN(トレイジャン)」は、ローマン書体の起源とされており、その昔石に文字を掘っていたイタリアのトラヤヌス帝の碑文が元となっています。約2,000年前に作成されている非常い古い文字です。日本で言うと弥生時代

その碑文の文字を元に作成されたTRAJAN Proは1989年にAdobeの書体デザイナーであるCarol Twombly (キャロル・トンブリー)さんによって制作されたフォントです。

そういった背景から、TRAJANには“格式が高く伝統的な印象”があり、そのフォントを今時のデザイン紙面に使用すると、どこか違和感が発生していしまいます。

 

そのように、書体の成り立ちや、書体デザイナーがどういう意図でその書体をデザインしているのかを知った上で、適切な書体を選ばなければ、「このデザイナーは雰囲気で書体を選んでいるな」と思われ、恥をかいてしまうことがありるので、こういう基礎的な知識はデザイン以前にとても重要ですね。

 

欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)

欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)

欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)

 

インスタントカメラの定番、instax(インスタック)に新たなモデル「チェキInstax Mini LiPlay」が登場

富士フィルムから、インスタントカメラ「instax(インスタックス)」の新しいモデル 「Instax Mini LiPlay」がリリースされました。

 

本体カラーは、エレガントブラック、ブラッシュゴールド、ストーンホワイトの3種類が用意され、軽量コンパクトなデザインとなっています。

 

背面には2.7型TFTカラー液晶モニターが搭載されており、気に入ったショットを何回でも撮影することができ、気に入ったものだけをセレクトしてプリントすることができます。

 

カメラは28mm F/2固定焦点レンズと5メガピクセルCMOSセンサーを搭載。ISOは100~1600の調整が可能、撮影可能距離は10センチ〜∞(無限)となっています。

 

また、撮影時の音声も収録することができ、それをQRコードの形でInstaxプリントに適用することができます。専用アプリでQRコードスマホをかざすと画像とともに音が再生されます。写真と一緒にちょっとしたメッセージを加えることができます。

 

そのほか、撮影時や後加工で写真に様々な装飾を施すことができる30種類のフレームと6つのエフェクトフィルターがプリセットされています。

さらに、撮影してからわずか12秒で写真をプリントすることができます。またBluetooth接続にも対応しており、リンクさせたスマホの写真を印刷することもできます。スマホで写真は撮ったけどそのままになっている写真もこのinstaxをプリンタがわりに使用することができます。

プリント紙は富士フィルムFUJIFILM インスタントカメラ チェキ用フィルム 20枚入 INSTAX MINI JP 2となります。

 

夏を目前に控えたこれからのシーズンに、アナログな味わいが楽しめるアイテムとしてあると良いかもですね

グラフィックデザインを独学するために、デザインの名著:ヨゼフ・ミューラー・ブロックマン「Grid System in Graphic Design」

デザインをもっと良くしたい。デザインしたけどなんか物足りない、どこか平凡だなと感じる。もっと大胆に、もっとカッコよく。と思い、いろんなデザインを参考にしてもなぜかうまくいかないということがよくあります。

 

よいデザインを真似て作るとたしかスキルアップし、一見レベルアップしたように感じます。ある程度の段階までは、それでいいかも知れませんが、プロとして仕事をするためには、何故そのデザインが良いのかを理論的に理解していることが重要ですね。

 

デザインの名著:ヨゼフ・ミューラー・ブロックマンGrid System in Graphic Design」に学ぶグラフィックデザイン

 

20世紀を代表するスイスのグラフィックデザイナー、ヨゼフ・ミューラー・ブロックマンによって提唱されたレイアウト技法である「グリッド・システム」は、情報伝達に携わるデザイナーの基本的なテクニックとして、1973年に発表されています。

 

デザイン作品の構造に秩序を持たせるのみならず。デザイナーの社会的な責任の問題に関連するもととも捉えられ、現代においてもその重要性が認められています。

 

グリッド・システムは、ページの中で情報を論理的かつ一貫性を持たせるためにグラフィックデザイナーの手助けとな指標として機能します。

 

タイポグラフィを組むときに決めなければならないことは無数のにあります。書体、組み方向、並び、字間(字送り)、行長、行揃え、行間(行送り)、行数、などなど。

中でも特に重要とされるもは、字間、行間、段間、版面のアキなどのスペースなどですが、それらを決めるためのモノサシとして、グリッド・システムの知識が有効になります。

 

効率的かつ正確に文字や図版をレイアウトさせつつ、大胆な配置及びスペースの取り方など勉強になりますね〜

 

Grid Systems in Graphic Design/Raster Systeme Fur Die Visuele Gestaltung

Grid Systems in Graphic Design/Raster Systeme Fur Die Visuele Gestaltung