動画で学ぶタイポグラフィの歴史「the history of typography 」
タイポグラフィの歴史を端的にまとめたわかりやすい動画「the history of typography 」。コミカルなタッチのアニメーションでタイポグラフィの歴史がまとめられており、これからタイポグラフィを学びたい方には参考になるのではないでしょうか。
タイポグラフィとは
タイポグラフィとは、文字を見やすく読みやすくすると同時に、美しく魅力的に見せるための技術・芸術のことです。
タイポグラフィの歴史は、14世紀ヨハネス・グーデンベルグによる活版印刷の発明を機に大きく動き出します。
活版印刷はそれまで使われていたブラックレター体で始まります。ブラックレター体は太い直線と細いカーブを主体とし文字間をぎゅっと狭めて組むのが特徴で、文字間が狭く太いラインが多いため紙が黒く見えることからブラックレターと呼ばれています。
しかし、印刷した場合、文字間の狭く見づらかったことと、ルネサンス期のヒューマニスト運動もあってローマン体が生まれます。
ローマン体は古代ローマの建築デザインをもとされ、1490年にフランスでGaramond(ガラモン・ギャラマン)が登場する。
まっすぐな直線とバランスのとれたカーブを基本とし、これによって印刷時の可読性が飛躍的に良くなります。
その後1734年ごろイギリスでウイリアム・キャスロンによってデザインされたCaslon(キャスロン・カスロン)が登場し、続く1757年に同じくイギリスでBaskerville(バスカービル) 、1780年にフランスではDidot(ディド)、イタリアでbodoni(ボドニ)が生まれます。ローマン体黄金時代です。
その後、1927年にドイツにてポール・レナーがデザインしたfutura(フーツラ)が登場します。これがジオメトリック・サンズです。
そして1928年イギリスで登場したGil sans(ギル・サンズ)、1957年にスイスにてMax Miedinger(マックス・ミーディンガー)のHelvetia(ヘルベチカ)が生まれます。
その後コンピュータの登場によって何千もの書体がデザインされることとなります。
印刷技術やテクノロジーとともに発展していったタイポグラフィーの歴史は、そのフォントの使い所や見せ方を決める指標となります。例えば、オーソドックスやフレンチの雰囲気を出したい場合に、イギリスで生まれたCaslonやGil sansを使うと、どこか違和感が出てしまいます。絶対に使ってはいけないことはないですが、やはりフランス生まれのDidotの方が雰囲気は作りやすいといった具合です。
書籍でもタイポグラフィーの歴史を紹介する本は多くあります。こちらタイポグラフィの基礎は、グーデンベルグの活版印刷の発明や金属活字からモダン・タイポグラフィの理念と発展、スイス・タイポグラフィの確立とそれが及ぼした影響など詳しい解説がなされているので、おすすめです。