Zoom F3は、32ビットフロート録音に対応しているフィールドレコーダーです。
非常に人気が高く、発売から2年以上たっても人気は衰えていません。
そこで今回は、Zoom F3の人気の理由を3つご紹介しつつ、ここはこうなってほしいなという点も含めて紹介したいと思います。
良い点
32ビット・フロート対応
32ビットフロートは、音の強弱を非常に広いダイナミックレンジで捉えることが可能です。通常、音が大きすぎると録音で「音割れ」が発生しますが、32ビットフロートなら音割れを気にする必要がありません。
そのため、ゲイン調整をしなくてもどんなに大きな音も、クリアに録音できます。 小さな音もノイズなく録音できます。
これは、従来の固定小数点方式(16ビットや24ビットなど)が一定の範囲内で直接数値として記録するのに対して、32ビットフロート浮動小数点方式は、数値を3つの部分に分けて記録することで実現しています。
- 符号ビット(1ビット): 数値が正か負かを示します。
- 指数部(8ビット): 数値のスケール(拡大・縮小)を決定します。
- 仮数部(23ビット): 実際の数値、すなわち「細かいディテール」を保持します。
言い換えると、仮数部が捉えた数値に、指数部を使ってスケールをかけることで、数値を大きくしたり小さくしたりします。
このあたりちょっと難しいですね。とりあえず、ゲインを調整しないでよくなり、すごく便利になりました。ということです。
高サンプリング周波数
Zoom F3は、最大192kHzのサンプリング周波数に対応しています。
これは、上位機種F8n ProやF6と同じ高サンプリング周波数です。
音を細かく記録していくので、アナログ音源により近い音を記録することができます。
ちなみに、サンプリング周波数とは、1秒間に何回音を測定・記録しているかを表します。
192kHzは、1秒間に192000回音を測定し、記録しています。
写真でいうところの解像度に似ていて、より細かく描画していることと同じです。
一般的なCDは44.1kHzなので、192kHzがいかに細かいかわかりますね。
小さくて軽いは正義
Zoom F3は、ポケットに入るコンパクトなサイズです。
本体重量は、電池を入れていない状態で約242g、
電池を入れてもわずか約277gです。
この軽量でコンパクトな設計により、持ち運びが非常に便利になっています。
動画の撮影機材はとにかくいろいろ使うものがあるので、レコーダーひとつのコンパクトさ、軽さは重視すべきポイントになります。
改善してほしい点
本体底面にある1/4ネジの位置
Zoom F3には本体底辺に1/4ネジ(メス)があります。雲台やホットシューなどをつけるために必須です。
しかし、ネジ穴の位置が同じ底面にある電池スロットの蓋と近いため、1/4ネジと干渉してしまい、電池の蓋が開けにくくなります。
単三3本で運用するf3は、それなりに電池の減りが早く、1日フルの撮影では交換するタイミングが必ず出てきます。
その度にネジ穴部分から取り外す手間は相当ストレスになるため、どのようにネジ穴を使うか検討しなくてはいけません。僕の場合、SmallRig ミニチルトマウントが電池蓋に干渉せずに取り付けることができています。
記録メディアがマイクロSD
個人的にはできれば普通のSDカードの方が使い勝手がよいので、そうなれば良いと思いました。
あと、レコーダー全般に言えることですが、記録メディアは内蔵にしてくれた方が良いと思うのですが、なかなかそうはならないですね。バックアップの関係でしょうか。。
なぜ、SDなど外付けのメモリを入れる仕様なのか、ご存知の方いらっしゃればコメントください。
まとめ
Zoom F3は、32ビットフロート録音と高サンプリング周波数。 そしてコンパクトさを兼ね備えたとても使い勝手の良いフィールドレコーダーです。
音割れを気にせず、高品質な録音をどこでも実現できます。
価格もスペックの割に非常に安いので、気になる方は是非色々調べて検討してみてはいかがでしょうか。